県議会活動報告 Vol.44 Web


風を通そう!

福岡県議会議員 吉村 敏男(よしむら としお)
【飯塚市・桂川町(嘉穂郡)】


国土交通省、毛利信二事務次官に八木山バイパスの現状を詳しく説明(2017/7/20 国土交通省)

2017年9月定例県議会終了、補正予算約688億円

9月11日から10月13日まで33日間の日程で開催された9月定例県議会は、一般会計補正予算など21件と平成28年度決算関係20件、合計41議案を原案通り承認し可決しました。このうち、わが県としては戦後最大となる1,941億円の被害を出した7月5日の九州北部豪雨関連の復旧・復興対策として約643億円が計上されました。

【動画:民進党県政クラブ県議団 九州北部豪雨災害被災地視察 2017/7/18】


飯塚市内全小中学校に電子黒板90台を配備(昨年度63台,今年度27台)

私が会長を務める、民進党県政クラブ(福岡県議会会派)は、これまでICT教育を推進することによって、授業の工夫改善が進み、先生たちが子どもと向き合う時間が確保され、結果として学力向上につながるとの観点から電子異板やプロジェクターの配備などICT教育の環境整備を県教委に対し求めて来ました。

とりわけ電子黒板は授業中に、教員が子ども達に正する時間が大幅に増え、そのことで子ども達の反応や気づきを、より的確に把握することが出来たり、図形や地形など視覚に訴えながら教えることが出来て、使い方次第で、授業の工夫,改善が進むなど、大きな教育効果が期待されます。

平成28年度からは民進党県政クラブの主張を取り入れ県内の政令市を除く全市町村の小中学校(679校)に3ケ年計画で各1台の電子異板を整備するための予算7,200万円が計上されています。

飯塚市立庄内中学校 電子黒板活用風景

しかし、市町村教委によっては、ICT教育にまったく関心が無い所もあることから、飯塚市が整備する平成28年度分63台、今年度分27台の合計90台について、の補助金が活用されています。

飯塚市内32の小中学校にはこれまで、4校に4台の電子異板が配備されていますが、このことにより、飯塚市はICT教育推進の環境が大幅に整うことになります。

全県立中学・高校などにも電子黒板整備

また、県内には、全日制高校92校、単位制高校2校、県立中学4校、県立特別支援学校など合計119校があります。

これらの県立各校に電子異板を平成28年度から1年1台、3力年で3台ずつ整備するための予算が昨年度から来年度まで各3,500万円が計上されています。

現在ICT教育の研究事業の指定を受けている本県の県立学校でも、教育効果が高いとの実証結果が出ており、民進党県政クラブの提言を実行している県教委の姿勢を高く評価します。

今回整備される電子黒板は7インチの大型ディスプレーを備え、デジタル教科書とも連動する本格的なものです。


電子黒板活用場面集 〈文部科学省HPより〉(PDF:6,324KB)

【動画:筑豊の教育と学力の向上 県政報告会より 2017/11/27】


タイ王国総領事館福岡開設、大きく前進

タイ国政府の公式機関として1990年代初めに本県に設置されたニケ所の事務所が2016年1月のタイ国政府観光庁福両車務所の閉鎖に続いて、タイ国政府貿易センター福両車務所が3月に閉鎖予定となったことから、わが会派は、同年2月の定例県議会の代表質問に、於いて、「この際、両車務所の再設置ではなく、総領事館の開設を目指すべきとして知事の考えを質し、本県にタイ国の総領事館の開設を実現する取り組みが動き出すことになりました。

現在、タイ王国は東京に大使館、大阪に総領事館があるのみで、開設が実現すると三番目となります。本県には、1952年に開設されたアメリカ領事館を始め・韓国(1966年開設)、中国(1985年開設)、オーストラリア(1992年開設)、ペトナム(2009年開設)の総領事館がありますが、総領事館開設の効果を、2009年4月22 日に開設されたべトナムとの関係で見ると、

総領事館設置後の状況(福岡県との関係)

(1)ベトナムからの入国者数の増加(9.23倍).
2008年1,734人 → 2016年16,002人

(2)在福岡ベトナム人の増加(13.45倍)
2008年600人 → 2016年8,070人

(3)留学生の増加(54.61倍)
2008年71人 → 2016年3,877 人
※総領事館の支援:ベトナムでの留学説明会開催に当たっての情報提供、助言

(4)貿易額の増加
輸入額の増加(2.04倍)
2008年466億1,999方円 → 2016年 951億3,519万円
2008年274億9,330方円 → 2016年1,099億8,487万円
輸出額の増加(4.00倍)

(5) ベトナムへの進出企業の増加(2.22倍)
2008年9社 → 2016年20社
※総領事館の支援:ベトナム政府機関、経済団体等の本県訪問にかかる調整
ベトナムヘ訪問する行政、経済団体等への助言、情報提供

(6)大学等友好提携の増加(校数6倍、件数5.4倍)
2008年2校、5件 → 2016年12校、27件
※総領事館の支援:ベトナムの大学に関する情報提供、友好提携に関する助言

(7)県内高校生のべトナムへの修学旅行実施
2008年0校 → 2016年7校、1,646 人

以上のように、わずか8年間で本県とぺトナムとの関係が拡大強化されてきたことがわかります。

しかしながら、総領事館の設置に関する事項は、国対国の協議事項であることから、進展が見られませんでしたが、私が2009年5月から県議会タイ友好議員連盟の会長を努めてきた人脈から、バンコク都議会の元議長複数や軍政による任命制の現都議会副議長のルートから展望が開けご今年2017年2月22日にはドーン外務大臣、5月29日と30日には現在のタイ国軍政の中で政権を動かしているソムキット副首相とタナサック副首相に面談し、総領事館設置を強く要望しました。

タイ王国ドーン外務大臣と会見(2017/2/22 タイ王国外務省)

そして、さる9月12日、タイ王国から要請を受けて県内企業39社(全国で約500社参加)と共に参加した、タイ東部経済回廊計画(EEC)経済ミッションの折の会談においた、ソムキット副首相からは「なるべく早く実現させたい。今朝、外務副大臣に、手続きを早く、進めてくれと伝えた」、ドーン外務大臣からは「福岡に総領事館を作ることを進めていきたい」と、極めて前向きの発言を得ることができ、総領事館の福岡県への設置が大きく前進することになりました。

今後共、県議会と行政が両輪となって全力をあげ、タイ王国政府に対して総領事館設置を働きかけていきます。

【タイ総領事館、九州福岡開設への道程】


教員の正職員比率を平成35年までに7年間で96.4%まで改善 (全国ワースト2位から上位7番目に改善)

本県の教育委員会の教職員は、平成7年度には3万5,846人だったものが、平成27年度には3万790人と20年間で5,056人、14.1%も削減されました。

その結果、本県の小中学校では教員定数に満たない状態が生じ、平成28年度は学級編成基準目である4戸1日現在、県下の小中学校で教師(講師)が補充できていない学校は、小学校で59校81人、中学校で10校12人あり、学級運営や授業に支障が出ています。また、全小中学校のうち、非正規雇用の講師が担任をしている学級が平成28年5円I日現在、929掌紋と全学級の14.7%を占めるまでになっています。

本来、講師は、正職員の産前・産後休暇、休職等により補充の教員等が必要になったときの一時的な任用であるはずですが、本県においては講師の任用が半ば常態化しています。実際に、本県の公立小中学校における定数欠員補充のための常勤講師の数は、平成22年度には2,086人でしたが、平成27年度には2,740人とこの5年間で654人増加しています。

このような講師僧加の原因は、本県の正規教員の雇用上足にあり、わが会派は平成27年9月議会において、本県における公立小中学校の教員定数に占める正規教員の割合が87.6%と、沖縄県に次いでその割合が低く、全国ワースト2位であることを指摘し、正規教員の計画的増員が必要であると質しました。その結果、平成28年度の採用試験(平成29年度採用者)でほ平成27年度より109人多い500人が採用されることになりました。

しかし、それでも全国ワースト2位という現実は変わらず、平成28年度6月議会でも、代表質問において、引き続き正規職員採用枠の拡大と、具体的な計画の提示を求め、最終的に、平成28年度現在86.3%の正規職員比率を8年後(29年度の採用枠拡大から7午後) の平成35年度までに96.2%まで改善することを明らかにさせることができました。しかしながら、この目標はあくまで、わが会派と県教委の信頼関係に基づく計画目標とされ、また平成31年度からの教職員の定年延長も予定されていることから、今般9月議会の文教常任委員会において、正式に下記のとおり、平成33年度までの正職員化計画を明らかにさせると同時に、最終的には

①平成35年度までに正職員の比率を96.4%とする。

②定年制の導入の有無に関わらず正職員の比率は96.4%とする。

との答弁を引き出すことができました。(これが実現すると、正規職員比率は 全国第7位まで改善されることになります)今後は今回示された採用計画が違えられぬよう、年度毎にしっかりチェックしていきます。

公立小・中学校の教員定数に占める正規教員の推移と見込み

高田口交差点から青田小学校までのガードレールが設置されます

高田小学校ガードレール
2017年10月に半分完成した高田口から高田小学校に至るガードレール124.7m(残り約100mは2018年4月以降着工します)

県道飯塚大野城線の富田口交差点から高田小学校までの歩道約220mは、特に高田口交差点の信号が青の時、九郎原方面から安値方面に向かう車が猛スピードで通過するため、保護者や学校関係者から事故の危険が指摘されていましたが、高田小学校運営協議会の強い要望を受け、今般ガードレールの設置が実現することになりました。
なお、工事は、二年間で実施することとし、今年度は高田口交差点側から124.7mを設置します。工事は2017年9月に着エし、2017年10月中旬に完了しています。残りの工事は2018年度着工予定になります。


PHOTOGRAFFITI

  • 2017/7/5の九州北部豪雨で大きな被害を受けた東峰村と朝倉市を会派で視察(7/18)東峰村渋谷村長より被害状況の説明を受ける
  • 2017/7/5の九州北部豪雨で大きな被害を受けた東峰村と朝倉市を会派で視察(7/18)九地整現地責任者より被害状況の説明を受ける
  • タイ王国ソムキット副首相に総領事館設置を申し入れ(2017/5/29 首相府)
  • タイ王国タナサック副首相に総領事館設置を申し入れ(2017/5/30 首相府)
  • 交流事業でタイ国バンコク都を訪問する本県高校生の表敬を受ける
    (2017/7/28 議会棟)
  • 会派として九州北部豪雨災害対策本部をただちに立ち上げ、要望書を服部副知事に提出(2017/7/6 庁議室)
  • ハワイ州教育省ジュディ・ナガサコ氏(左から3番目)とハワイ州立ジェームス・キャンベル高等学校 ジョン・ヘンリー・リー校長(左から2番目)の訪問を受け、私が2007年5月~2009年5月の県議会日米議連会長当時実現した、毎月9月~10月のハワイ沖での本県立水産高校生の実習航海の帰途、ハワイ州立高校の教師と生徒が水産練習船に同乗する交流事業(2010年~15年、当時の州立ルーズベルト高校の校長の提案により実施)が、2016年~17年の2年間中断している事態を踏まえ、その事業再開について協議(2017/10/6 教育長室)

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