飯塚市内全小中学校に電子黒板90台を配備(昨年度63台、今年度27台)
私が会長を務める、民進党県政クラブ(福岡県議会会派)は、これまでICT教育を推進することによって、授業の工夫改善が進み、先生たちが子どもと向き合う時間が確保され、結果として学力向上につながるとの観点から電子異板やプロジェクターの配備などICT教育の環境整備を県教委に対し求めて来ました。
とりわけ電子黒板は授業中に、教員が子ども達に正する時間が大幅に増え、そのことで子ども達の反応や気づきを、より的確に把握することが出来たり、図形や地形など視覚に訴えながら教えることが出来て、使い方次第で、授業の工夫,改善が進むなど、大きな教育効果が期待されます。
平成28年度からは民進党県政クラブの主張を取り入れ県内の政令市を除く全市町村の小中学校(679校)に3ケ年計画で各1台の電子異板を整備するための予算7,200万円が計上されています。
しかし、市町村教委によっては、ICT教育にまったく関心が無い所もあることから、飯塚市が整備する平成28年度分63台、今年度分27台の合計90台について、の補助金が活用されています。
飯塚市内32の小中学校にはこれまで、4校に4台の電子黒板が配備されていますが、このことにより、飯塚市はICT教育推進の環境が大幅に整うことになります。
全県立中学・高校などにも電子黒板整備
また、県内には、全日制高校92校、単位制高校2校、県立中学4校、県立特別支援学校など合計119校があります。
これらの県立各校に電子異板を平成28年度から1年1台、3力年で3台ずつ整備するための予算が昨年度から来年度まで各3,500万円が計上されています。
現在ICT教育の研究事業の指定を受けている本県の県立学校でも、教育効果が高いとの実証結果が出ており、国民民主党県政クラブの提言を実行している県教委の姿勢を高く評価します。
今回整備される電子黒板は7インチの大型ディスプレーを備え、デジタル教科書とも連動する本格的なものです。
電子黒板活用場面集 〈文部科学省HPより〉(PDF:6,324KB)
不登校・中途退学の県立高校生が私立の学習支援センターを広く利用できるようになりました
学習支援センターとは、一般社団法人福岡県私立学校振興会と福岡県私学協会が共同で運営している学習支援機関で、私学が協同で設置した全国で初の施設です。
センターは、いわゆる不登校や中途退学の高校生に対して、学習の場を提供し、学業の継続と在籍校への復帰を支援することなどを目的として、県内4カ所に設置・運営されており、運営費は、県内の私立高校58校がそれぞれ毎年200万円の負担金、および福岡県からの毎年上限1000万円の補助金によって賄われています。
4カ所の学習支援センターには、あわせて毎年150人前後の高校生が通っていますが、ほぼ全員が私立の高校生で、センターに入所すると、2、3カ月の個別指導を受けた後、ほとんどの生徒が在籍校に復帰したり、通信制高校に転入学しています。
これは私立高校が、センターへの出席や学習の状況を踏まえて単位認定や進級・卒業について、適切に措置を行うという協定を結んでおり、生徒が利用しやすい状況となっているからです。
一方で県立の高校生の通所は、2015年度1人、2016年度2人という状況で、2015年度の県立高校における不登校が1126人にも及んでる現状を考えると、県立高校の生徒の不登校や中途退学をできるだけ防止し学校生活を継続させるためのセーフティネットとしてセンターの役割は極めて重要です。
そのため、2017年6月、9月、12月県議会におけるわが会派の代表質問で
①県立高校では、不登校や中途退学の高校生に対して、支援センターのように学習の場を提供したり、学業の継続と在籍校への復帰支援をどのように行っているのか。
②支援センターの実績に鑑み、県立学校が個々に対応するのではなく、県教育委員会と支援センターとの間で包括的な協定を締結し、支援すべき等を教育長に質しました。
その結果、
県教育委員会は、高等学校における不登校生徒の社会的自立や学校復帰に向けた支援に関し、高等学校教育の一層の充実を図りつつ、民間施設と学校が積極的に連携し、相互に協力・補完することの意義が大きいことを認識し、県立高校に在籍する生徒のセンターへの入所に当たって、次の基本的な考え方に基づき適切な対応を行うものとする。
記
1. 生徒のセンター入所に当たって
県立高校は、生徒の学校復帰や社会的自立に向け、生徒個々の状況に応じた適切な支援を行うため、学習や欠席の状況等の情報を共有するなどしてセンターと十分な連携を図るものとする。
2. 生徒のセンター入所の基本的な流れ
(1)生徒・保護者に対するセンターに係る情報の提供
県立高校は、学校での指導や支援にもかかわらず、学習の継続が困難な生徒や不登校の生徒に対して、センターに関する情報を適切に提供する。
(2)見学・相談等
県立高校は、生徒・保護者からの申出に基づき、センターに対し、見学・相談等を申し込む。
(3)入所申込み
入所を希望する生徒・保護者は、県立高校の校長の許可を得て、センター規程その他センター所定の手続きに基づき入所申込みを行う。
(4)入所期間中における県立高校の対応
・入所生徒への適切な支援に資するため、校内の生徒支援委員会等を活用し、組織的な生徒支援を継続する。
・入所生徒の円滑な学校復帰、希望進路の実現、社会的自立に向けて、県立高校における学習情報等をセンターに提供する。併せて、生徒・保護者の了解の下、生徒に関わる必要な情報の提供も行う。
・家庭訪問やセンター訪問により、入所生徒や保護者と定期的に面談を行う。
・入所生徒のセンター利用における学習等について、センターからの学習状況の報告をもとに、出席、単位認定等を適切に取り扱う。また、それに必要な教務内規の整備をあらかじめ行う。
・県立高校復帰時における受入れ環境を整備する。
(生徒・保護者の意向確認、温かい雰囲気づくり、保健室、相談室及び学校図書館等を活用した段階的な適応が行えるような指導上の工夫、教職員間の情報共有、柔軟な学級替え、学習の遅れを補う補充指導等の準備等)
3. 県教育委員会における対応
県立高校生徒の円滑かつ効果的なセンターの利用に向け、入所状況の定期的な把握及びセンター
との意見交換を行うとともに、利用手順の一層の明確化、生徒指導関連の有益な情報等のセンター
への情報提供、センターと連携した実践事例の県立高校への紹介等を行う。
等の対応がなされることになりました。今後、各県立高校がセンターを積極的に利用すれば、県立高校生の不登校や途中退学も私学並みに減少することが期待されます。
教員の正職員比率を平成35年までに7年間で96.4%まで改善 (全国ワースト2位から上位7番目に改善)
本県の教育委員会の教職員は、平成7年度には3万5,846人だったものが、平成27年度には3万790人と20年間で5,056人、14.1%も削減されました。
その結果、本県の小中学校では教員定数に満たない状態が生じ、平成28年度は学級編成基準目である4戸1日現在、県下の小中学校で教師(講師)が補充できていない学校は、小学校で59校81人、中学校で10校12人あり、学級運営や授業に支障が出ています。また、全小中学校のうち、非正規雇用の講師が担任をしている学級が平成28年5円I日現在、929掌紋と全学級の14.7%を占めるまでになっています。
本来、講師は、正職員の産前・産後休暇、休職等により補充の教員等が必要になったときの一時的な任用であるはずですが、本県においては講師の任用が半ば常態化しています。実際に、本県の公立小中学校における定数欠員補充のための常勤講師の数は、平成22年度には2,086人でしたが、平成27年度には2,740人とこの5年間で654人増加しています。
このような講師僧加の原因は、本県の正規教員の雇用上足にあり、わが会派は平成27年9月議会において、本県における公立小中学校の教員定数に占める正規教員の割合が87.6%と、沖縄県に次いでその割合が低く、全国ワースト2位であることを指摘し、正規教員の計画的増員が必要であると質しました。その結果、平成28年度の採用試験(平成29年度採用者)でほ平成27年度より109人多い500人が採用されることになりました。
しかし、それでも全国ワースト2位という現実は変わらず、平成28年度6月議会でも、代表質問において、引き続き正規職員採用枠の拡大と、具体的な計画の提示を求め、最終的に、平成28年度現在86.3%の正規職員比率を8年後(29年度の採用枠拡大から7午後) の平成35年度までに96.2%まで改善することを明らかにさせることができました。しかしながら、この目標はあくまで、わが会派と県教委の信頼関係に基づく計画目標とされ、また平成31年度からの教職員の定年延長も予定されていることから、今般9月議会の文教常任委員会において、正式に下記のとおり、平成33年度までの正職員化計画を明らかにさせると同時に、最終的には
①平成35年度までに正職員の比率を96.4%とする。
②定年制の導入の有無に関わらず正職員の比率は96.4%とする。
との答弁を引き出すことができました。(これが実現すると、正規職員比率は 全国第7位まで改善されることになります)今後は今回示された採用計画が違えられぬよう、年度毎にしっかりチェックしていきます。
「放課後児童クラブ」 への学習機能付与スタート12月までに4市3町が実施
児童・生徒の生活習慣や学習習慣を改善するためには、学校、地域、家庭との一体的な連携が不可欠です。
「放課後児童クラブ」は、小学校に就学している子どもの中で、「保護者が就労や介護などの理由で昼間家庭にいないなどの状況により、放課後の居場所として、子どもに適切な遊びや生活の場を与えるところ」とされているため、宿題の時間など自学自習の機会は確保されているものの、子どもたちが「教えて」と言ってきたとしても、クラブの多くは放課後児童支援員や補助員は子どもたちに勉強を教えることが出来ない現状があります。
一方、2007年に再開された、全国学カ・学習状況調査(全国学カテスト)で本県は、小中学校全科目でわずかな例外を除き9年連続全国平均を下回っています。
その大きな要因となっているのが小中学校全科目とも県内平均と比べ、かなり差があるのが筑豊地区の実態です。
その原因のひとつが経済格差です。
しかし、筑豊地区の中でも、大任町などは、単費投入による独自の取り糾みで、多くの科目で全国平均を上回る目ざましい成果を上げています。(他にも桂川町2科目、飯塚市・嘉麻市各1科目が平均を上回る)そこで私たちは、全県に1,250ヶ所設置されている「放課後児童クラプ」に学習機能を付与することが、特に生活困窮家庭で不足しがちな、「家庭学習」の代替の場になるとの確信から、昨年9月の代表質問以降、その実現を求めて来ました。
まず1日最大2時間、1週間最大3日間でスタート
その結果、今年度から、筑豊地区の97ヶ所のクラブを対象にクラプ指導員ではない退職教員や大学生などが1日最大2時間、1週間最大3日間勉強を教える事業がスタートしています。
その実施状況は2018年12月末現在以下のとおりです。
放課後児童クラプ学習支援授業の取組状況について
【平成28年度市町村の状況】
1. 事業実施(4市2町)
く長期休業中の夏休みに集中的に実施>
直方市、嘉麻市、添田町
<長期休業中の夏休みと冬休みに実施>
糸田町
く夏休みから週1回程度実施>
飯塚市、田川市
2. 事業実施予定(2町)
<12月から週2回、冬休み8回、春休み4回>
鞍手町
<2月(予定)から実施>
桂川町
3. 平成28年度は実施しない(1市2町)
市町村教育委員会等が実施している学習支援事業(※)に放課後児童クラブの児童が参加
宮若市、川崎市、大任町
(※アフタースクール(宮若)、学びっこ教室(川崎)、未来塾(大任))
4. 検討中(3町1村)
(1)来年度実施予定(1町)
小竹町
(2)市町村教育委員会等が実施している学習支援事業に放課後児童クラブの児童が参加、更に本事業を実施するか検討中。(1町)
香春町
(3)委託先の団体等と調整しながら検討中。(1町1村)
福智町、赤村
放課後児童クラブ学習支援事業の取り組み拡大
国民民主党県政クラブの提案に基づき、厚生労働省と文部科学省の垣根を越えて、昨年度から、県内で特に学力が低い筑豊地区の15市町村の放課後児童クラブで実施している学習支援事業が、今年度は下記の通り実施市町村が増加し、また実施期間も更に充実した内容となっています。
今後も、1年を通じて事業を実施する自治体を増やし、学習支援の内容が強化されるよう取り組んでいきます。
1. 事業実施予定(4市6町)
●1年を通じて実施
飯塚市、田川市、鞍手町、桂川町
●長期休業中の夏休みに実施
直方市、嘉麻市、小竹町、香春町
●長期休業中の夏休みと冬休みに実施
添田町2. 市町村教育委員会等の実施する学習支援事業で対応(1市2町)
宮若市、川崎町、大任町
(※大任町については、上記に加え、放課後児童クラブ学習支援事業についても実施を検討中)3. 検討中(1町1村)
福智町、赤村
放課後児童クラブ低所得者層無料化支援
現在、県内の放課後児童クラブを実施している市町村のうち6割は、生活保護世帯や住民税非課税世帯、就学援助等を受けている低所得世帯に対し、利用料の減免を行っていますが、本県は今年度から市町村の減免額の2分の1を補助する事業をスタートさせています。
筑豊地区15市町村のうち、まだ減免措置を行っていない自治体は次のとおりです。
1. 既に減免制度あり(5市1町)
直方市、飯塚市、嘉麻市、小竹町
田川市(生活保護世帯のみ)、宮若市(生活保護世帯のみ)
(※田川市、宮若市については、制度拡充を検討中)2. 平成29年度に制度創設を検討中(7町1村)
桂川町、香春町、添田町、糸田町、川崎町、大任町、福智町、赤村
平成29年 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況(5月1日現在)〈厚生労働省HPより〉(PDF:1,979KB)
2017年12月議会最終日、会派視察を行いました。毎議会最終日に行っているものです。
今回は博多区の東光中学の「学び合い」授業を視察させていただきました。その独特な授業風景はとても印象深くかつ意外なものとなりました。この東光中学は以前はその素行や成績でいささかの問題を抱えていたと伺います。しかし、現在の元主校長のもと、この「学び合い」を実行するにあたり劇的な変化と改善を遂げてきたとのことです。
確かに、生徒たちの活き活きとした顔を見るにあたり、この学校が進めてきた工夫と努力が生徒たちの心の琴線に触れる何かを持っているのは確かなようです。この「学び合い」で最も重視されることは「一人も見捨てない」「全員が課題を達成する」ことです。そしてそれを実践する。各方面より視察や話題を集める理由を理解できます。教育の本質とは何か、まさしくその現場より大きなテーゼを受け取る視察となりました。