タイ王国福岡総領事館2018年10月1日開設
~地方議会の働きかけとして画期的成果~
~地方議会の働きかけとして画期的成果~
福岡県議会とバンコク都議会が友好提携を締結して、今年で11年になります。
この間、タイでのゴミ処分場の福岡方式の普及や、高齢者の健康づくりの推進、高校生の相互交流など、多岐にわたり交流を進め、また、バンコク都等に12台の消防車を寄贈したことに加え、去る8月には、ナコンシータマラート県に消防車1台、ごみ収集車2台を贈る調印式を行いました。
さらに、2016年1月と3月にタイ観光庁福岡事務所とタイ貿易センター福岡事務所が相次いで閉鎖されたことを受け、私が約9年間会長を務めています県議会タイ友好議員連盟は、「両事務所の再開設ではなく、総領事館の開設を目指す」ことを決めました。
その後、約2年に渡り、バンコク都議会の人脈を頼りに、タイ政府のドーン外務大臣やソムキット副首相、軍政No.2のタナサック副首相などに対する要望活動を展開し、その結果、2018年1月16日のタイ政府の閣議で「福岡に総領事館を開設する」ことが決定され、2月8日、来福したソムキット副首相により正式に発表されました。
色々な好条件が重なったとはいえ、外国の公館が国内で開設されるのは約6年ぶりであり、これが地方議会の働きかけで実現したという点において、画期的成果ということができます。
今回は臨時事務所として博多駅近くのJRJP博多駅ビル3Fに開設され、九州・沖縄と中国地方の13県を管轄することになります。正式事務所には入居を予定する新ビルの完成を待って、来年4月~5月に移転する予定となっています。
また、閉鎖されていたタイ観光庁福岡事務所もソムキット副首相の指示により、8月1日から仮事務所で業務を開始し、10月には正式事務所に移ることになりました。これにより、福岡・九州・中国地区とタイとの交流は飛躍的に拡大することが期待されます。
タイ王国福岡総領事館開設までの道程 2016~2018
タイ国政府の公式機関として1990年代初めに本県に設置された二ヶ所の事務所が、2016年1月のタイ国政府観光庁福岡事務所の閉鎖に続いて、タイ国政府貿易センター福岡事務所が3月に閉鎖予定となりました。
わが会派では、2016年2月の定例県議会の代表質問に於いて、「この際、両事務所の再設置ではなく、総領事館の開設を目指すべき」として知事の考えを質し、本県にタイ国の総領事館の開設を実現する取り組みが動き出すことになりました。
現在、タイ王国は東京に大使館、大阪に総領事館があるのみで、開設が実現すると三番目となります。
本県には、1952年に開設されたアメリカ領事館を始め、韓国(1966年開設)、中国(1985年開設)、オーストラリア(1992年開設)、ベトナム(2009年開設)の総領事館があります。
総領事館開設の効果を、2009年4月22日に開設されたベトナムとの関係で見た場合、2009年にベトナム総領事館が開設され、2016年までのわずか8年間で、ベトナムからの
入国者数 | 9.23倍 |
在留者 | 13.45倍 |
留学生 | 54.61倍 |
貿易輸入額 | 2.04倍 |
輸出額 | 4倍 |
など本県とベトナムの間で人・物の交流が飛躍的に拡大されて来たことは明らかです。
しかしながら、総領事館の設置に関する事項は、国対国の協議事項であることから、進展が見られませんでした。
一方、私が2009年5月から会長を努めるタイ友好議員連盟は、バンコク都議会との友好親善協定を締結した、この11年間の間に、相互訪問や、10台の消防自動車を贈呈するなど着実に交流の実績を積み重ね、信頼関係を築いてきました。
そして、この行き詰まった状況を打開するため力を貸し汗をかいてくれたのが、バンコク都議会の元議長複数や軍政による任命制の現都議会の副議長でした。
このルートから急速に展望が開け、2017年2月22日にはドーン外務大臣、5月29日と30日には現在のタイ国の軍政の中で政権を動かしているソムキット副首相とタナサック副首相に面談し、総領事館設置を強く要望しました。
そして、2017年9月12日、タイ王国から要請を受けて県内企業39社(全国で約500社参加)と共に参加した、タイ東部経済回廊計画(EEC)経済ミッションの折の会談において、ソムキット副首相からは「なるべく早く実現させたい。今朝、外務副大臣に、手続きを早く進めてくれと伝えた」、ドーン外務大臣からは「福岡に総領事館を作ることを進めていきたい」と、極めて前向きの発言を得ることができ、総領事館の福岡県への設置が大きく前進することになりました。
そして、2018年2月8日から来福したソムキット副首相から
その折、2年前(2016年)に撤退した貿易センター福岡事務所の再開と、また、急遽ソムキット副首相に合流したタイ国政府観光庁のユタサック総裁からは福岡事務所の8月再開が発表され、県議会やタイ議連として、これまでの努力が実を結び、大きな大きな成果を得ることができました。
【福岡県議会 平成30年2月定例会 議会最終日 最終一般質問】
一、タイ国総領事館の福岡開設について
(タイ国総領事館、福岡開設までの道程についての詳細な説明)
一、八木山バイパスの四車線化について
最後に意見として、タイ国への就学旅行の実現に関して、タイ及び海外一般の安全事情と実情について外務省の見解に対してのコメントをします。