九州国際重粒子線がん治療センターが鳥栖市に開院しました。

 平成25年5月、九州新幹線新鳥栖駅前に国内では4カ所目、そして民間主導としては初となる重粒子線がん治療施設「九州国際重粒子線がん治療センター(愛称:サガハイマット)」が開設されました。同センターは、佐賀県が中心となって進めた取り組みを九州の経済界や医師会、大学の産学が連携し、協力することにより実現した九州唯一の重粒子線がん治療施設です。開設に必要となる150億円の事業費についても、民間からの寄付金や出資金に加え、佐賀県や福岡県(5億9千万円)からの補助金が出されるなど、県域をまたいだ支援が行われています。
 6月下旬で登録患者83名。その内訳は、福岡県53名、佐賀県9名、熊本県8名、長崎県4名、宮崎県2名、大分県・鹿児島県各1名(他にも広島県、山口県の方がおられるとのこと)となっており、6月1日に開院してひと月余りにも関わらず、九州各県から多くの患者に利用されています。県議会としては、「他県の施設に多額の拠出」を行ったこともあり、我が会派が提案し、6月24日サガハイマットを視察しました。

【重粒子線がん治療について】
 がんの治療法には、手術でがんを取り除く外科療法、抗がん剤などを使用する化学療法、放射線でがんを叩く放射線療法などがあります。
 重粒子線がん治療は、放射線療法のひとつで、光の速さの約70%に加速した炭素イオンを、がん病巣に狙いを絞って照射する最先端の治療法です。副作用が少なく、体を切らずに済むため通院で治療できるのが特徴です。また、エックス線等と比べてがん細胞の殺傷能力が2〜3倍ほど高く、一回の照射で得られる効果が大きいため治療期間も短くて済み、骨肉腫など従来の放射線治療が効きにくいがんや、複雑な場所にあるため手術が困難ながんにも治療の可能性が広がるなどの利点から大きく期待される治療法です。

【『サガハイマット』を受診するには】
 『サガハイマット』を受診するには、いきなり外科を訪れても診察も診断もしてもらえません。
 まず、最寄りのがん診療施設を受診します。そこで、がんの診断、進行度の判定、重粒子線診療適応の判断を行います。あるいは、大学病院の放射線科(重粒子線診療外来)を受診し、その上で、重粒子線診療(私費)希望の確認をします。そして、『サガハイマット』へ紹介され、受診します。
 『サガハイマット』では、まず外来で、重粒子線診療の適応確認し、治療計画を策定し、そして、具体的に治療を開始します。
 治療の後は、『サガハイマット』とともに紹介元で経過観察、追加治療となります。

【患者さんに合わせた治療計画】
 治療にあたっては、まず患者に必要検査の確認や、治療、副作用等の説明が行われます。
 その後、治療の際に体を固定する固定具の製作や、CT撮影を行い、がんの位置を測定して、治療計画を立て、治療のリハーサルを行います。治療は1日1回、照射時間は1〜2分程度、照射の位置決めなど準備の時間を合わせても30分程度とのことです。

【診療費】
 重粒子線治療は、厚生労働大臣の承認を受けた先進医療の一つです。先進医療の費用は、患者の全額自己負担となります。ただし、通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬等)の費用については、公的医療保険が適用されます。

重粒子線がん治療費
3百数十万円
(先進医療=全額自己負担)
診療・検査・薬代など (公的医療保険適用)

 なお、現在では民間保険会社から、先進医療の費用を保障する保険商品(「がん保険」や「医療保険」等)が多数販売されています。

サガハイマット正面