県内の産廃処分場を掘削調査
(2013年度予算に計上)

 一方、今回の予算で特筆すべきことは、現在県内には19ヶ所の安定型処分場がありますが、違法廃棄物の投棄がないか、産業廃棄物処分業の許可が5年間で更新されるのに合わせて、更新前に掘削調査を実施する予算2,700万円が計上されたことです。これまで県は廃棄物処理法に基づき、処分場の廃棄物を目視で確認したり、水質を調べたり、立ち入り検査を定期的に実施し、不法投棄が判明した場合には掘削調査を行っていました。今後は定期的かつ予防的に処分場を掘り起こし、許可外の廃棄物の投棄の有無を調査し、違法な廃棄物が見つかれば、業者に改善命令などの指導を行い、従わなければ許可取り消しなどの処分を下すことになります。何より廃棄物事業者に対する「不正はできない」という心理的圧力が強まることになります。平成25年度は4ヶ所で調査を実施します。
 さらに現在は操業を終了または停止しているものの地域の住民から不法投棄を指摘されたりしてトラブルになったり問題が長期化している処分場が県内には12ヶ所ありますが、それらの現場を調査したり、県が設置する専門家委員会の指示や決定により不法投棄現場を掘削するなどの予算として4,644万円が計上されています。定期掘削や事実上閉鎖された処分場の掘削費の計上はこれまで全国的に例がなく特筆されるものです。

今回の施策は飯塚市内住の産廃問題が発端

 本県は内住の処分場における不法投棄問題で、「環境保全措置を業者に命じるよう県に義務付ける判決」が確定したことを受け、昨年9月の県議会でボーリング調査等の費用として、環境部としては過去最高額となる約1億6,000万円の補正予算を計上しました。現在、調査が終了し、県は業者に対する措置命令を検討しています。今回の全国に例を見ない県による稼動中の処分場の定期掘削調査や、すでに閉鎖されたものの不法投棄が疑われる処分場の掘削調査等の費用が計上されるなど、県が産廃問題に対するこれまでの対応を大きく転換させるきっかけとなったのは、やはり内住の産廃処分場の不法投棄をめぐる住民のみなさんの11年に及ぶねばり強い行動と裁判勝訴が大きな影響を与えたことはまぎれもない事実です。
 民主党・県政クラブ県議団は、麻生知事時代から一貫して県の産廃行政の転換と県内各地で多発している産業廃棄物処分場をめぐる住民の問題提起と真摯に向き合い、本気で解決することを求めて来ました。
 今回の予算措置は小川知事の県民の目線に立つ政治姿勢として一定評価できるものです。

会派で内住産廃処分場を視察

 民主党・県政クラブ県議団は昨年7月の内住の産廃処分場裁判で県敗訴が確定した後、9月、12月と会派の代表質問でボーリング調査の進行状況や業者に対する措置命令の時期などを質してきましたが、2月議会の代表質問にあたり、2月25日会派として現地を視察し3月5日に代表質問を行いました。
 質問要旨は次のとおりです。

Q 現地調査の進捗及び調査結果について
A 現地調査は昨年12月末までに終了予定であったが、原告や地元住民の方々からの要望や専門委員会の指示により、ボーリング調査及び検査項目を追加しており、全ての調査結果は3月下旬までに判明する予定。
 これまで、廃棄物埋立区域内の滞留水の一部から安定型最終処分場の管理の適否を見るための水質基準を上回るBODや鉛等が検出されている。
 原告の井戸水は、水道法の基準に照らして飲用に適する結果となっており、現在のところ、専門委員会から処分場の影響は周辺に及んでいないとの見解を得ている。
Q 措置命令の発出時期について
A なんとか年度内に発出すべく調査を進めてきたが、追加調査に時間を要し、結果が3月下旬となることから、年度内の発出は厳しい状況となっている。
 適切な措置命令とすることが重要であり、全ての調査結果が判明した後、できるだけ早く専門委員会の審議を経て、措置命令を発出したい。
Q 周辺住民の健康不安への対応について
A 原告の井戸水については、これまでの調査結果に基づき、現在のところ、専門委員会から処分場の影響はないとの見解をいただいている。
 廃棄物埋立区域内に存在する滞留水の一部から、安定型最終処分場の管理の適否を見るための水質基準を上回るBODや鉛等が検出されている。
 今後判明する調査結果も踏まえ、将来にわたって生活環境保全上の支障のないよう、措置命令の内容を決定していきたいと考えている。
Q 稼動中の安定型最終処分場の箇所数などについて
A 稼動中の安定型最終処分場は、現在19ヶ所。
 過去に措置命令、改善命令及び行政指導を行っているものの長期化している件数は12件。
Q 稼動中の安定型最終処分場の掘削調査について
A 原則として、産業廃棄物処分業許可の5年間の有効期間満了の6月前までに実施する予定。
 この考えに基づき、来年度は4ヶ所の掘削調査を実施することとしている。
Q 長期化している産廃事案について
A 事案により内容や状況が異なることから、まず専門家委員会を設置し、これまでの知見を踏まえ、どのような調査を行う必要があるか検討する。
 関係市町村の協力が不可欠であるため、専門家の意見を踏まえ、市町村と十分協議した上で慎重に選定し、着手していきたいと考えている。

内住産廃処分場現地調査(2月25日)