中華民国対外貿易発展協会(台湾貿易センター、TAITRA)趙秘書を囲んで
中華民国の視察を終えて

民主党・県政クラブ県議団中華民国視察団
団長 吉村敏男

 6月定例県議会が閉会して間もない7月26日から30日までの日程で、わが会派は東アジアにおいて、日本、中国、韓国と並んで世界経済の中でGDP世界21位と、いぶし銀のような存在感を示している「国交のない国」中華民国=台湾を訪問しました。日本と台湾は、1972年の日中国交締結と同時に断交しましたが、その後も「ヒト」「モノ」の交流は続き、「ヒト」の交流は昨年中国に抜かれたものの、それまでは毎年、台湾を訪問した外国人数では、日本人が30%前後(約100万人〜110万人)を占め、国別では1位でした。また「モノ」の交流を貿易総額でみると、日本にとって台湾は、米国、中国、韓国に続く4番目の貿易相手国であり、台湾にとって日本は、中国に続く2番目の貿易相手(輸入先としては1位、輸出先としては4位)となっています。
 ところが、「ヒト」「モノ」の交流では国交断絶後も活発な展開が続いていたにもかかわらず、国交がないため政治的交流はいうに及ばず、自治体間の交流も全くと言っていい程接触がありませんでした。しかし、台湾と中国の「ヒト」「モノ」「カネ」の交流が、それまでの「小三通」といわれていた時代から3年ほど前に大きく転換し、今や中国自身が政治的思想は別にして台湾を重要な貿易相手として活発な交流を展開する中(台湾の現在の貿易相手国第1位は中国であり、台湾企業の関係者とその家族約100万人が中国に滞在しているといわれている。これは台湾の人口約2300万人の4.3%にあたる)、日本と台湾の交流については、以前と比べ確実に状況が変化している現実があります。こうした状況をうけ、今年1月に麻生前知事を団長とする第2回台湾経済ミッションが訪台し、福岡県議会からも各会派の代表が参加しました。そして、この訪台を機に、県議会の中に「福岡県議会台湾友好議員連盟」結成の気運が盛り上がり、9月定例議会で結成の見通しとなりました。こうした流れを背景として、わが会派の台湾視察が計画されました。訪問目的は、「市場経済と農業事情」ですが、今回は「何でも見て、台湾の人たちと本音で交流すること」にありました。
 訪問に先立ち、私は台北駐福岡経済文化辧事處の曽念祖處長を訪ねました。曽處長には、今回の訪台で色々とご配慮いただきましたが、お話しする中で私が改めて気づかされたことは、国交がないにもかかわらず日本人が台湾を特に「身近に感じている」とした意識調査の結果でした。これは日本全体の20才から69才の男女を対象に、電話及びオンライン調査によって台湾に関する意識調査の結果ですが、それによると66.9%が「台湾を身近に感じており」、91.2%が「現在の日本と台湾との関係は良好と認識を持っており」、84.2%が「台湾を信頼している」と答え、日本人のかなりが台湾に親近感を感じている実態が明らかになっています。台湾人の日本人に対する意識もほぼ同じようなものであり、そのことは、今回の東日本大震災の被災地に対して、世界各国の支援の中でダントツの約170億円が台湾から届けられた事にも示されています。
 現在の日本と台湾との関係は、1972年以来脈々と続けられてきた「ヒト」「モノ」「カネ」の交流がより一層良好で緊密な関係として維持され、親近感と信頼感が益々醸成されている状態だということが出来ます。従って、今回の訪台を私は、日本と台湾の自治体間交流の大きな出発点とするべく期待して台北の地を踏みました。このような私たちの「友好の思い」は、当日台北に到着して、到着ロビーを出ると早速マスコミからの取材があり、翌日、写真入りで大きく報道されるという形で台湾側の答えが示されました。
 今回の視察は、4泊5日で過密な日程でしたが、詳細については報告書のそれぞれのページに譲ることとします。

台北市議会 周柏雅副議長と
台湾鉄路工会の陳根銘常務理事と
921国立自然科学博物館にて
2011年3月11日の東日本大震災に際し、多くの義援金で日本の苦境を支えてくれたのは台湾。歴史的にも、地理的にも、日本は身近な国であり、私たちの訪台も現地の関心が高く、訪台翌日の大手紙「聯合報」にカラー写真付きで紹介されました。