はじめての一般質問を行う原中議員
原中誠志県議が内住の産業廃棄物問題で質問

 今議会では、今度、福岡市中央区から初当選した原中県議(元飯塚市居住)が、自身が長年に亘って関わってきた内住の産廃問題について一般質問を行いました。
 この質問については、これまでも私や吉 順一前県議も取り上げ、県の姿勢を厳しく質してきました。
 小川知事は、4月の知事選のときより「県民幸福度日本一の福岡県」を掲げ、当選後も機会あるごとに「一人一人の幸福の実感、昨日より今日が良くなったと思えるような地域社会を再構築したい。」と述べ、「県民の生命、財産を守るのは県の最重要課題の一つ、負の部分は改善、解消する」と訴え続けています。
 産業廃棄物による環境汚染問題は、まさにこの負の部分といえます。そして、この産廃問題の早期解決こそ、小川知事が唱える「県民幸福度日本一の福岡県」達成の一歩です。

1.内住産廃問題の経過

2001年7月 飯塚市内住の安定型産業廃棄物最終処分場の変更許可を県が出す。
2001年8月 処分場直下の大野川が白濁し、周変に異臭が漂い始める。住民は嘉穂保健所に原因解明を要請。同月14日、保健所職員が現地処分場に立ち入り調査に入る。処分場内に真っ黒な汚水池があることが判明、この汚水が異臭の発生源と判る。
2003年5月29日 地元住民は地裁飯塚支部へ、処分場の操業停止の仮処分申請を行う。
2004年9月30日 地裁飯塚支部は操業停止の決定を出す。
2005年12月1日 地元住民13人が原告となり、県を相手に、産業廃棄物の撤去を求める「義務付け訴訟」を福岡地方裁判所に提訴。
2008年2月25日 一審の福岡地方裁判所は、原告の訴えを却下。しかし、判決のなかで違法な産業廃棄物の処理があったこと、処分場内には違法に捨てられた廃棄物が存在すること、そのために起こった環境汚染を認める。
同年3月5日 原告側はこの決定を不服として、福岡高裁に控訴。
2011年2月7日 二審の判決では、産廃の撤去など環境保全に必要な措置を講ずるよう業者に命じることを県に義務付ける判決を言い渡す。一審判決を退け、住民が勝訴。
同年2月21日 福岡県はこの二審判決を不服とし、福岡高裁に上告。
同年2月22日 この県の作為に対し、県議会は県の上告取り下げを求める決議をほぼ全会一致で可決。
同年2月28日 福岡高裁は、同高裁で敗訴した県の上告について、手続きが不適法だとし上告を却下。
同年3月7日 県は、上告を却下した高裁の決定を不服とし、最高裁に特別抗告を行う。
同年3月28日 高裁は抗告を許可し、これによって県は今回の案件について上告ができるようになる。

2.質問の要旨

 原中県議は、今回の飯塚市内住産廃問題について、再質問も含め、以下のとおり質問。

@ 小川知事は、この間の内住の産廃問題について、どのような報告を受けているか。また、どのように認識しているか。
A 本県議会は、「違法な廃棄物の存在は争い難い事実であり、周辺住民のことを考慮し早急に事態解決を図るべき」と上告取り下げの決議をした。知事は、この県議会における決議の重さをどのように認識しているか。
B 今回の「義務付け訴訟」2審判決をどう考えているか。
C 県が上告して、どうしても最高裁の判断を仰がねばらない理由とは何なのか。
D 本件の事象発生から約10年の歳月が経つ。これ以上、地元住民へ苦難を強いることなく、また、県議会の議決の趣旨を踏まえ、早急に支障の除去について対策を講じるべきと考えるが、どうか。
E 知事は、現地を視察する考えはないか。

3.知事の答弁

 知事の答弁は、以下のとおり。

 @について、「この間の経過は詳細に聞いており、承知している。」として、これまでの県の対応を踏襲する考えを示す。

 Aについては、「県議会の議決は重く思ってる。しかし、県議会と行政は二元性の下にあり、従って県議会の議決に縛られるものではない。」と答弁。

 B、Cについては、「県はこれまで、法律や条例に基づいて施策を行ってきた。県の施策が間違ってないということを明らかにするには、裁判で公平な判決を求めるしかない。」と答弁。

 Dについては、「これまで県の判断どおり。発生した事象については、健康被害や環境破壊を起こすまでとは考えていない。住民の方々の心労は許容範囲内と考える。」

 Eについては、「いま裁判で係争中である。そのため、現地に行くことはできない。」と答弁。

4.原中県議の話し

 原中県議は、今回の質問の感想について「小川知事は新しく誕生した知事であり、これまでの経過に束縛されることなく、問題解決と打開に向けて一歩踏み出すのではと期待していました。しかし、まるで前麻生知事の答弁でも聞いているかのように、前県政の政策をそのまま踏襲する回答ばかりでした。現地視察についても、現場主義、現地主義を標榜するといいながら、都合の悪いところには出向かないということでした。
 内住地区の方々には、これまで10年という長い年月、心から安らかに眠れた日々はないと思います。そのことを想うと、産廃の撤去、問題の完全解決に向け、更なる支援を続けていかなければと思いました。」と述べています。
 この他、原中県議は「新行政改革大綱」の策定に向けた知事の見解を質しています。原中県議の今後の活動に期待します。