新しい知事に求められる
福岡県政の課題と方向

500万県民の幸せの実現へ
 県民参加の福岡県政を推進する

 わが国が直面している大きな課題は、@新たな成長産業の育成や、ビジネスモデルの確立と雇用の拡大。A地域主権の推進による地域の活性化。B労働分配率の向上による所得格差の解消や、就労支援を基本にした貧困問題の解決などがあげられます。
 これらの課題は本県も同様で、今後、政府与党と連携・協力し、自動車や水素エネルギー、IT・バイオなどの先端産業の育成による産業振興を目指すとともに、500万県民の福祉と生活の向上を実現していくこと、同時に、県政改革を推進し積極的な情報公開により県民が県政の目指す方向性を共有することができる仕組みの整備、県政への県民参加意識を醸成する改革が必要です。

県内中小企業の育成支援と
 新産業分野へ挑戦する

 また本県は産業構造に占める製造業の割合が高く、過去、奥田県政時代は「素材型産業から加工組立型産業への転換」、麻生県政時代は「加工組立型産業の拡大と先端産業への挑戦」を主な政策として取り組んできました。
 しかし、この間、製造業の生産拠点は賃金の安いアジアなどの途上国に移転するとともに、ジリジリと上昇を続ける円高により、海外との価格競争では劣勢に立たされ、このことが賃金の上昇と内需の拡大を阻み、景気の長期低迷の大きな原因となっています。
 今、製品の生産システムは、国内での垂直型分業体制から、世界的な規模での水平型分業体制に移行していますが、これは本県の基幹産業となった自動車関連産業も例外ではなく、基幹部品の生産や最終組み立ても含めた生産拠点の途上国への移転の流れは、今後も加速していくことが考えられます。したがって、今後は本県の「モノづくり」の伝統を大切にしつつも、「モノを作って売る」ことから、「モノを介在させてサービスを売る」ことや、北欧の成功例にならい、質の高い人的サービス、IT・バイオなどの先端産業の育成や自動車の研究開発設計拠点の誘致、デザイン産業の育成などの分野に産業構造を変えていく必要があります。

農林水産業の持続的発展をめざす

 さらに本県では、第一次産業の経営基盤の強化も重要です。そのため、付加価値の高い園芸作物の生産振興を始め、農林水産物の地産地消の推進と積極的輸出拡大、国の戸別所得補償政策の積極活用による第一次産業の担い手の確保を図り、持続可能な第一次産業の振興策が必要です。

新たな雇用を創出する

 今後も経済成長が現状で推移すれば、雇用が大量に失われていくことが懸念されます。政府は新たな成長産業として、医療、介護、環境などの分野を示していますが、医療、介護の分野は国と自治体が責任をもって、福祉型社会を形成する重要な産業として育成し、雇用を創り出すことが重要です。
 また環境分野は、タイやベトナム、江蘇省との友好交流が活発なことをいかし、同じく環境ビジネスの展開を計画する北九州市と連携しながら、県が主体的に環境産業全体をマネジメントし、環境産業をシステムとしてアジアの都市にビジネス展開していくことが必要です。

地域主権改革の推進で、
 新しい福岡県のかたちを創る

 また、国から財源や権限を移し、県民市民に最も近い自治体が主体的に地域振興や活性化、産業振興、医療や福祉の充実、教育環境の整備に取り組むために地域主権の確立は欠かせません。県への権限委譲の他、政令市、中核市にも大胆に権限を委譲し、市町村については権限移譲とともに、県が補完性の原則から対等な立場で連携を強化しながら支援することが重要です。
 その結果として地方の自主的な判断を尊重し、国と地方の協働による地方の形を追求します。トップダウン型の「少数精鋭の県庁」から職員を「人財」として捉え、地域主権改革の時代にふさわしく「地域主権を共に担う県庁」に、県行政のあり方を改革する必要があります。

地域の「絆」の再生。次代を担う
 人材育成と教育の充実を図る

 さらに、地域の活力を高めていくためには、地域コミュニティーの再生も重要です。行政まかせではなく、行政と地域住民、NPOや民間企業が連携し、それぞれの特性に応じた役割を発揮し、協働することによって、地域の活性化とセーフティーネットを構築することが必要です。
 そのため、人づくり(人材育成)は全ての基盤となります。特に、次代を担う子どもたちの健全育成、子育て支援と教育の充実は、次の県政における重要なインフラとして重視される必要があります。

九州の自立、アジアとの連携を
 リードする福岡県をめざす

 中央依存型の社会システムは徐々に機能不全に陥ってきており、新しい国のかたちを創り上げる必要があります。地域のことは地域で決める自己決定能力を高め、将来の道州制も視野に入れた福岡県創りを推進する必要があります。